『プライム・フォト』って何?
次々と追加され続ける、Amazonプライム会員向けの新サービス。
今回新しくリリースされたのは、オンラインストレージサービスの『プライム・フォト』。
容量無制限のフォトストレージで、プライム会員であれば「好きなだけ写真を保存できる」サービスです。
そんな『プライム・フォト』についてご紹介します。
プライム・フォトは無料?有料?
これは無料の既存サービス『Amazon Cloud Drive』のオプションという位置づけです。
物理的なメディアでのデータ保存もいいですが、万が一の破損や事故のことを考えると、
クラウドでの容量無制限保存を利用してのバックアップも重要ですよね。
Amazonプライム会員向けのサービスなので、年間税込3,900円の会員費がかかりますが、
使い放題のお急ぎ便、送料無料、プライムビデオやプライムミュージックなどの無制限サービスに加えてのリリースなので、会員にとっては定額のままコスパだけが良くなっていくイメージですね。
無料の 『Amazon Cloud Drive』 とは何が違うの?
知っている方も、すでに使っている方もいると思いますが、『Amzaon Cloud Drive』という無料サービスがあります。
これはプライム会員であるなしに関係なく、最大5GBまで写真を保存できるというもの。
ちなみに、現時点での利用料金は以下の通りです。
20GB 年間800円
50GB 年間2,000円
容量無制限 年間3,900円(Amazonプライム年会費)
100 GB 年間4,000円
200 GB 年間8,000円
500 GB 年間20,000円
1000 GB(1TB) 年間40,000円
プライム会員獲得のために、ちょっと料金体系がおかしくなっているような気がしますが、
5GBまでなら無料で利用できるので、普通のAmazon会員の方にもオススメです。
リサイズも圧縮もなしで写真を保存できる
今までのフォトストレージサービスでは、容量を少しでも抑えるために、ある一定以上のデータになると自動的にリサイズや圧縮の上アップロードされてしまうことがありました。
大事な写真を保存するときに、わざわざデータを劣化させたいと思う人はいないですよね?
保存しておくための手段がそれしかないなら、と仕方なく選んでいたはずです。
それがプライム・フォトなら、高画素数でもどんなサイズでも、撮影した状態のまま保存できるのです。
データの劣化を避けるための面倒な作業も必要ありません。
大切な一枚であればなおのこと、安心して利用できますね。
RAWデータやDNGファイルまで対応している
写真の画像データといえば、jpgやpngが一般的ですが、BMPやTIFFも認識されます。
さらに、デジタル一眼レフカメラでのRAWデータ、DNGデータなどがありますが、
『プライム・フォト』なら、保存容量を圧迫しがちなこれらの高画質なRAWファイル・DNGファイルも、無圧縮で保存できてしまいます。
デジタル一眼レフ流行り、フォトレタッチ流行りの今、これらの形式での無制限保存は嬉しいですね。
もちろんプロカメラマンにとっては嬉しいどころか、ありがたすぎるサービスなのでは?
なお、写真ファイルとして認識される対応カメラの機種のRAWファイルは以下の通りです。
これは変更される可能性もあるとのことですが、参考にしてみてください。
オリンパスとPanasonicは非対応となっています(2016年1月時点)。
【Nikon(NEFファイル)】
Nikon D1、Nikon D1X、Nikon D4、Nikon Coolpix A、Nikon E5700、Nikon AW1、Nikon D800、Nikon D50、Nikon D610
【Canon (CR2ファイル*)】
Canon 5D、Canon 1D、Canon 1D MarkIIN、Canon Rebel SL1、Canon 60D、Canon 5D MarkIII、Canon 1D MarkIV
*Cloud Driveで写真ファイルとして扱われますが、ファイルの撮影情報(撮影美や撮影時間)は認識されない場合があるとのこと
【Sony (ARWファイル) 】
Sony A7、Sony A7R、 Sony A6000、 Sony NEX-5T、Sony NEX-3N、Sony NEX-6
動画の保存も無制限なの?
いいえ、無制限なのはあくまで写真データのみです。
動画やPDFファイルは合計5GBまでしか保存できません。
でも、手軽にスマホで動画が撮影できるようになってしまった今、動画も無制限で保存できたら・・・と正直思ってしまいます。
今後のプライム会員囲い込みのためのサービス拡充に期待したいところですね。
専用アプリはある?
『Amazon Photos』という専用の無料アプリがあります。
iOS デバイスまたは Android デバイスから、モバイルアプリをダウンロード。
スマートフォンで撮影したデータを自動保存できます(初期設定ではwi-fi接続時のみ)。
また、LINE、Facebook、TwitterなどのSNSにも連携させられるので、保存データにアクセスしてシェアすることも可能です。
スマホ本体の容量を気にしながら、苦心して写真を選んで泣く泣く削除したり、あの時消したデータをやっぱりアップしたかった・・・なんて思いをもうせずに済みますね。
ちなみに、2GBを超える単独データはデスクトップからしかアップロードすることができないので、それはちょっと作業が必要になります。
また、web版と比較すると、かなり高度な画像の補正、編集機能があり、明度や彩度の補正、フレームやフィルタ、傷補正まで行うことが可能です。
これはweb版でも同一レベルまで編集できるようになって欲しいです。
他社のオンラインストレージサービスと比較すると?
オンラインストレージには使う人によって様々な使用法があると思いますが、
ここでは「普通にスマホやデジカメを使う人の無料バックアップクラウド」という視点で比較してみたいと思います。
Googleフォト
Googleドライブの容量に応じて保存が可能ですが、他データと併せての容量です。
無料版の場合
容量 「高画質モード」選択の場合のみ無制限(圧縮・リサイズされる可能性あり)
圧縮・リサイズしない「元のサイズモード」は他のGoogleサービスと併せて最大15GB
RAWデータ 非対応
動画 2GBを超えるものは非対応
プライムフォトにはない特徴…検索機能が秀逸。場所、人などをデータ上で判断し分類できる。
5枚の連続写真からアニメーションGIFを自動生成できる。
3枚以上の写真から1枚のパノラマ写真を合成できる。
動画と写真をつなげてBGM付きのムービーを作成できる。
具体的には写真なら1600万画素に、動画なら1080pまで自動的に縮小されます。
ただ、「品質を保持したままデータを圧縮・リサイズ」とのことですので、試しに自分のデータで問題ない程度かどうかを実験してみるのもよいでしょう。
最近は高画質の撮影も可能なスマホも登場しているため、1枚で5GBを超えるような写真も撮れてしまいます。そういった人で、元データのままバックアップを取りたい人には不向きかもしれません。
また、RAWデータ非対応なので、高性能なデジカメのバックアップを求める人は別のサービスを選択する必要があります。
Flicker
無料版の場合
容量 1TBまで
圧縮 なし
RAWデータ 対応
動画 1GBまで
プライム・フォトにはない特徴…
ゲッティイメージに登録することで写真の販売ができる。
ブログなどにアップした際に右クリックで保存できないようになっている。
公開する写真の著作権の管理(所有や放棄)の意思表示が可能。
もともとオンラインクラウドの走りとして定評のあるサービスだけに、デジカメ撮影にも対応した機能がとても充実しています。
もちろん有料版もありますが、料金体系が複雑なため、ここでは割愛しました。
ただ、無料バックアップとしての使用にあたって問題点があるとすれば、UIが英語表記であること、アメリカのYahoo!IDが必要であることなど、英語ができないと使いづらいシステムではあります。
逆にそれを乗り越えられれば、様々なサービスを快適に利用することもできるでしょう。
EyefiCloud
『EyefiCloud』という無線LAN内蔵SDカード会社を知っていますか?
実は、ここで提供している無料オンラインストレージサービスがRAWデータにも対応しているのです。
ただしこれは無線LAN内蔵SDカード購入者に対しての1年間無料利用権という形での提供となります。
2年目以降は料金が発生すること、また無線LANという本来のサービス利用の性質上、半永久的なクラウドバックアップとしては利用するには、若干敷居が高く感じられますね。
結論
容量、保存状態、バックアップの手軽さなどから、現時点では『プライム・フォト』が
一般的な撮影者には一番使いやすいのかな?という印象です。
ただ、競合サービスと切磋琢磨して、互いにどんどん進化していってくれると、利用者としては一番ありがたいですよね。
先日、物流業に本格的参入するというニュースまで報じられたAmazonですが、
それにしてもAmazonプライム会員向けには次々と思いがけないサービスが繰り出され続けています。
会員費が値上げされたり、サービスごとに別料金が発生したりしない限りは、次のサービスも楽しみに待ってみたいと思います。